ジコカイジ

self-disclosure‐‐‐乳がんのこと、仕事のこと、生き方のことを書いていくchisa/千祥のブログ。

2001年9月11日世界同時多発テロの起こった日、乳がんと宣告されました。

17年前の夏、8月の終わり。スポーツジムでトレーニングしたあと、いつものように入浴し、ロッカーで着替えをしていたとき気が付いた。左胸の内側上部に真っ赤に腫れあがったしこりを見つけたのだ。毎日の入浴時も、着替えの際にもこれまでまったく気が付かなかったその赤くボコッとしたしこりは、触ってみると痛い。帰宅して色々調べてみると、痛いのはがんによるしこりではないことが多いという。でも気になるので、かかりつけの婦人科に行ってみることにした。

 

9月に入り、婦人科を受診する。先生に症状を告げると、驚くべきことに乳腺の疾患は外科に行くものなのだという。いまでこそ乳房に関する症状があるときは、乳腺外来とかブレストクリニックに行くというのはよく知られている。でもそのときの私はそんなことも知らず、のこのこと婦人科に行ったのだった。そういう患者はよくいるらしく、先生も慣れたもので、その日のうちに受診できるようにすぐ外科へと回してくれた。

 

外科の医師は、胸のしこりの状態を診ると、念のため針生検やっておこうか、と聞いてきた。はっきりさせたかったので受けることに。結果は来週とのことだった。

 

9月11日。いつものように車で病院まで行く。1時間ほど待合で本を読んだり、海外の友人からの手紙などを読んで過ごしていたら、おもむろに呼ばれる。

 

さっき英語の手紙読んでたでしょ? 英語読める人だから直接言っても大丈夫だと思うから言うけどね、検査の結果は、がんでした。

 

英語読めることとがんと言われて大丈夫かどうかは、イコールにはならないと思うのだが、がんです、ときっぱり言われた。このね、クラスⅤっていうのね。これ完全にがんなんだよね。 もっと詳細に検査しよう。また予約取ってくれる?次は家族も来てね。

 

なんとか車を運転して帰宅した。どうしよう?どうしよう?どうしよう?いくら考えても答えは出ない。わーわー泣いてみたり、無闇にたばこを吸ったり、ビールを飲んだり、心のバタつき具合はとめどもなく、ただ部屋中を歩き回ったりして、文字通りの右往左往だ。

 

22時になり、TVをつけてニュース番組を見た。ニューヨークでなにか起こっていると、番組も右往左往している。突然CNNの画面に切り替わると、世界貿易センタービルに飛行機が突っ込んでいくではないか。一体なにが???

 

怖くなって、まだ仕事中の彼に電話をする。ねえ会社のTV見た? 世界貿易センタービルに飛行機が突っ込んだんだよ!と私が言うやいなや電話口の向こうで素っ頓狂な声を出している。

 

え?浜松町に???

 

いやあ…確かに浜松町にあるのも貿易センタービルだけどさあ。ニューヨークのよ!あんたいま西麻布でしょ?もし浜松町に飛行機突っ込んだら聞こえると思うし、そこら中大騒ぎになってるでしょ!

 

ばかばかしくなって、電話を切ってすぐ寝た。

 

この日を境に世界も私も変わった。世界中はテロを目の当たりにし、私は34歳にしてがんとなった。そして今日、あの日から17年経った。去年2度目の乳がんを経験して、2度目のサバイバーとして生きている。

 

しかし何度思い出しても、え?浜松町に???というのは笑える。思えば私は今もこの天然成分に助けられている。

 

 

 

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