ジコカイジ

self-disclosure‐‐‐乳がんのこと、仕事のこと、生き方のことを書いていくchisa/千祥のブログ。

絶望的な相談者はがんサバイバー/テレフォン人生相談

 

相談者は心が折れまくったがんサバイバー

 

相変わらずyoutubeテレフォン人生相談を聴いている。最愛の大迫恵美子の回でまだ聴いていないものは、もうないようなのだが、かなり前のものが突然アップされることもあるので、根気強く警戒パトロール実施中である。

 

大迫恵美子の回ではないのだが、心に引っかかった回があった。パーソナリティーに加藤諦三、アドバイザーに大原敬子の回である。

 

相談者は、がんになってしまった43歳の男性。3か月の入院生活、一番信頼していた仕事の上の先輩の突然の死も重なり、最愛の美しい妻は支えてくれると言ってくれたにも関わらず、死の恐怖から自暴自棄になってしまった相談者は浮気をし、妻から離婚される。妻は子供を連れて離れていってしまった。治療の副作用で体が思うように動かず、これまで順調だった自営業の仕事もほとんどない。荒れた生活の中、一緒にいる女性もいるが、お金をだまし取られているのはわかっている。

 

がんになったことで、死を強く意識してしまい、そこから離れられない状態だ。治療後のいまでも死ぬのではないかという恐怖がいつもある。

 

現時点ではダメ人間ですから。仕事ができない自分はダメ。みんな頑張っているのに仕事をする体力もない自分がいやだという相談者。

 

話している間、何度も舌打ちをし、ため息をつく。荒れた精神状態であることはすぐわかる話し方。聴いているこちらにもイライラと絶望が伝わってくる。

 

原敬子は、あなたは実は強い人間だと鼓舞。治療により体力を奪われ思うように動けず仕事ができないことでイライラしているだけで、本当は強い人だと。

 

加藤諦三は言う。加藤諦三自身もがんになり、治療後経過観察中であることを告げ、人生の価値は仕事では測れない。人生の価値は起こった出来事にどう対処するかで決まる、あなたの人生はこれからもっと素晴らしいものになる、と言って励まして終わる。

 

ここまで絶望するか?と思ったが。

 

絶えずため息をつき、舌打ちをする相談者の絶望感が凄まじい。がんと宣告され、治療で入院している間、亡くなっていく患者を見て、もう自分も死ぬって思い込んでいるんだけど、こんなに絶望してしまうものなのか???奥さんも子供もいて、協力してくれると言ったのに、そんな言葉は耳に入らず関係を壊しておいて、自分勝手に絶望しているだけじゃん。 と、私も最初思った。

 

でもこうやって内容サマリーを書くために、2度3度聞いているうちに、ここまで自分を追い込んでしまう人もいるかもしれないな、と思えてきた。

 

これまで順風満帆で……自分はずっと健康で病気になるなんて思ってもいなかった……ところが自分の人生に突然、予期せぬことが立て続けに起こったら? 相談者のような自暴自棄になってしまう人もいるかもしれない。

 

仕事に執着する理由

 

相談者が、仕事ができないダメ人間って言っていたけれど、痛いほどわかる。私もずっと、そしていまもそう思っているふしがある。私の場合も再度がんになったこともさることながら、信頼していた人が去っていったことや、治療の困難さ、体力の低下、治療中はまだしも、サバイバーとなった現在まで思うようには仕事が増えていかないことに、絶望するときもある。おもちゃを買ってもらえない子供のように、地団駄を踏んで悔しがって泣きわめくこともある。本当に。

 

仕事に執着するのは、それが自分の力でハンドルできるものだと思っているから。最愛の妻も子供も、信頼していた人も戻らない。人を変えることはできない。でも、仕事は違う。自分の努力で一度そのサーキットが廻っていけば、そこが突破口になると思っている。

 

なにかひとつでも歯車がしっかりと合って廻りだせば、そこから人生はやり直せる。その点仕事はわかりやすい。人と会い、社会と接する。お金も発生する。エネルギーを生む。そこから回復していけるはずだ、と相談者は期待しているのだと思う。そして私も。

 

加藤諦三は、人生の価値は仕事ではないと言った。そうだと思う。異議なしだ。でも一度人生を失った人が社会にもう一度戻るために、仕事があるということがどれほど心強いか。誰もがすんなり社会に戻っていけるとは限らない。この相談者のような打ちのめされたままの人もいるのだ。そして誰もがそのわだちにハマる可能性があることを忘れてほしくない。

 

加藤諦三だって、あの高齢でもほぼ連日テレフォン人生相談っていう仕事があるから、必要とされている仕事があるから、そして経済的な余裕があるから、心の平衡を保てている側面はあると思う。人生の価値は仕事じゃないって、社会に確固たる居場所がある加藤諦三に言われてもね。

 

こういう人は、SNSでゆるくつながれたらいいなと思う理由

 

この相談者のようにがんに罹患したことをきっかけに絶望を抱えた人こそ、患者会やサークルなどにつながってほしい。そして、共感しあえる仲間と触れ合ったら、回復するきっかけをつかめると思う。

 

でも自発的に患者会やサークルに参加できる人とできない人は明らかにいて、この相談者は後者。こんな風にどこにもつながっていない、絶望しているがんサバイバー、実は結構いるのだと思う。

 

そういう人たちにとって、患者会などはハードルが高いと感じるのかもしれないと感じる。SNSでつながったがん友の中には、患者会などにつながらず、ひとりで悩んでいた人も結構いる。門戸を広く開いていても、そこに飛び込めない、心を開けない人は一定数いるのだ。でもSNSならその場の様子を見ながら、ゆっくりと自分を開いていける。でも、だからこそゆるくつながれるSNSに可能性があるし、そうあってほしい。

 

この相談者が、心身共に順調に回復していってくれていたら、いいなと祈っている。

 

 

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