ジコカイジ

self-disclosure‐‐‐乳がんのこと、仕事のこと、生き方のことを書いていくchisa/千祥のブログ。

中嶋、抗がん剤中に太ったってよ

 

体重計に乗らんでもわかっている。

中嶋、抗がん剤中に太ったってよ。

 

梅雨寒である。外出時、半袖では心もとなく、長袖のシャツにパンツにジレを合わせてみる。それでも少々肌寒さを感じるほど。でもウイッグをかぶっている現在、これくらい涼しいと助かる。

 

長袖にパンツ、ジレといういで立ちだと、体のラインが出ないところがよい。なんといっても抗がん剤治療中から現在まで、体重は増加するばかりで減る兆候を見せないのである。これから本格的な日本の夏が来るというに。薄着の季節の到来が恨めしい。

 

抗がん剤投与期間中、

体は拒絶と弛緩を行ったり来たりする。

 

昨年8月から11月にかけて行ったEC療法の副作用は、私にとってはかなりのダメージがあり、投与から1週間以上、悪心頭痛が続き、食事をするのが困難であった。その間は果物やヨーグルト、ゼリーなど冷たくて甘みのあるものや、スープやみそ汁などの液体物を中心に口にしていたため、確かに体重は減った。しかし痩せたというよりげっそりといった感じが近い。

 

投与から1週間を過ぎると、少しずつ食欲が戻ってくる。食べられる量は以前より落ちているが、普通に食事ができることが嬉しい時期である。抗がん剤投与→インターバル→抗がん剤投与→インターバル……というのを繰り返していると、ふと気づくのである。中嶋、抗がん剤中に太ったってよ、と。

 

食事を摂れる摂れないを置いておいても、結局ほとんど外出もせず、これまで続けていた運動も全くできず、とにかく日常の運動量が極端に減った結果、太るのだ。そして治療後、少しづつ生活に運動を取り入れても、頑として体重は減らないし、筋肉はブヨブヨのままで愕然とする。半年の生活の結果が体形に出るのだ。

 

今回、抗がん剤をするかどうか、本気で迷った理由。

 

17年前乳がんを経験し、再発もせず過ごせたのは標準治療のおかげだということは理解している。有難い限りである。しかし2回目の乳がんとなる今回、実は本気で抗がん剤をするか否か、迷った時期があった。

 

前回、治療が終わってから、自分の体の回復にこんなに時間がかかるのか、と暗澹たる気持ちになることがあった。やはり前回も体重のコントロールに苦慮していたのだった。運動しても、半身浴しても、体重は減らず、顔も体もパンパン。体調やボディイメージが手術前に戻ったと感じるようになるまで、5年近くかかったと思う。

 

 

 

 

 

治療が終わってから2年後の、2003年の写真。今見ても死にそう。

 

顔のむくみ半端ないって。パンパンにむくんで、女子プロレスラーみたい。

♪ビューティビューティ(ペア!)♪ と思わず口ずさんでしまう。このころは、顔や脚のむくみに悩まされていた。

 

心と体の回復には時間が必要だった。

 

ラッキーなことに、編集者としての仕事が、私の気持ちを奮い立たせてくれていた。私にとっては宝物のような仕事だったから、どんなに無理をしても構わなかった。気持ちにはいつも緊張感があった。それががんの不安をかき消してくれていた。

 

この写真から3年ほど経過すると、むくみがおさまっていった。がんのこともほとんど忘れて生活できるようにもなっていた。心と体は少しずつ日常に戻っていく。緩やかに回復していくんだなあと、しみじみ思っていた。

 

だから今回も、これはいつか来た道…なのだ。17年前は、情熱を傾けられる仕事が私を回復に導いてくれた。今回は、色々なものをそぎ落としていったら、書くということが残った。17年前の若さはないが、馬鹿さはある。書くことに情熱を注いでいこうと思う。

 

そして入らないパンツやスカートを横目に、いやいや、心の回復も、体の回復も、時間がかかるんだ。あと数年すれば、シューーッと空気の抜けた風船みたいにしぼんでいく……ことを願っている。

 

 

抗がん剤 #EC療法 #むくみ 

 

 

にほんブログ村 病気ブログ 乳がんサバイバーへ にほんブログ村 その他生活ブログへにほんブログ村 その他趣味ブログへ