ジコカイジ

self-disclosure‐‐‐乳がんのこと、仕事のこと、生き方のことを書いていくchisa/千祥のブログ。

血は水よりも濃いーーー「THIS IS US シーズン1」を見て

「THIS IS US 36歳、これから シーズン1」がAXNで放送されるのだ。

 

 で、その先駆けとして、GWに一挙放送があり、まんまと見たわけである。

 

 私はこれを見るのは2回目なのだけど、初回に見た感動が薄まるどころか、今度は1度目には気付かなかったシーンや、言葉の意味などを発見する驚きとともに、しみじみと味わうこととなった。月並みだが2度美味しい。きっと3度目もまた違った美味しさがあるのだろう。

 

このドラマは、絶対に絶対にシーズン1の第一話から見てほしいので、詳細は書きたくないが、2度目に見た雑感を書いておきたい。

 

ある3つ子の生まれる時点から物語ははじまる。ケヴィン、ケイト、カイル(ランダル)、全く異なる資質を持つ3つ子。この3人を主に、異なる時間軸、空間を並行し、さらに行きつ戻りつし、家族の実像が描かれていく。それぞれが異なる職業に就き、悩みながらも自分で人生を切り開いていく姿が描かれる。

 

 

本当に自分の意思なのか否か。

 

ふだん、私たちは一瞬一瞬を自分の意思で選択し、その連続で生きている、と思っている。しかしTIUを見ていると、どうも100%そうだとは言い切れない、血は水よりも濃いし、生育歴からも逃れられない。それが何世代にも渡って続いていくということを見せつけられる。

 

TVスターのケヴィンはコールガールと適当によろしくやっているような軽薄男と思いきや、実はハイスクールスイートハートの元妻を一途に愛し続け、体重管理がまるでできなくて自信のないケイトは素晴らしい歌声を持っている。ランダルは経済的にも社会的にも成功を収めているが、優しく柔らかい心を持っている。

 

ケヴィンの一途さは父親から、ケイトの自信のなさと歌声は母親から、ランダルの賢さと優しさは実父から受け継いだもの。

彼らの資質も悩みも、形を変えながら、それぞれの世代の肉体を乗り物に、世代を超えて、いま彼らが体現し体験しているのだ。

 

ケヴィンがランダルの娘たちに、自分が描いた絵を説明するシーンがあるけれど、あれは、自分たちのファミリーヒストリーに限定せず、アメリカという国に移民たちが根を下ろし、自分たちと脈々と流れている生をまざまざと見せたのだ。アメリカという国をモザイクのように形作るのは、最小の社会である家族であるということ。

つまりこれ、トランプへのNO!なわけだ。

 

私の中から湧き上がる思いは、私そのものだと信じているが、その根源の所有者はわたしだけではないという事実を思う。

 

アメリカンサーガ、オズの魔法使い

 

これは最近気が付いたのだけど、メインの3人がそれぞれ異なる悩みを持ちながら成長していく、ってやっぱり「オズの魔法使い」をベースにしているのでは。人種問題やアディクション、セレブ志向世代間問題など現代アメリカを描きながら、アメリカンサーガを引いているあたりが、よく考えられた脚本だと感心する。

 

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#THIS IS US #オズの魔法使い

 

 

 

 

 

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